制限食(ビーガン/ベジ)・宗教食(ハラル/コーシャ)の整理
- BOQUERIA

- 2025年12月18日
- 読了時間: 5分

0. BOQUERIAの基本スタンス
当店は、ビーガン・ベジタリアン、ハラル、コーシャなどの食文化・宗教的背景を尊重します。その上で、飲食店としての責任として、できること/できないことを曖昧にせず、最初に線引きを明確にする運用をとります。
当店の基本方針は3つです。
① 言い切らない(保証できないことは言わない)当店は「ハラル対応店」「コーシャ対応店」といった表現での断言は行いません。理由は単純で、認証・屠殺の管理・専用導線・器具完全分離など、店側が保証できない領域があるためです。曖昧な言い切りは、親切ではなく事故の入口になります。
② 確認は“最小限で固定”する(長話にしない)会話を長くしても、精度が上がるとは限りません。当店では、まず「避けたいもの」を固定の確認項目で短く伺い、そこで線を引きます。ここでいう固定項目とは、主に以下です。
アルコール(調味・加熱・煮切り含む)
動物性(卵・乳・バター・チーズ等)
魚介の範囲(貝・甲殻類・鱗の有無など)
肉+乳の同時(料理の上で混ざる形)
③ 「出せる料理」を正確に伝える(理想論ではなく現実解へ寄せる)当店がやるべきことは、思想や正しさの議論ではありません。お客様が安心して食べられるように、当店の材料・調理・料理構造の範囲で「出せる候補」を明確にすることです。“対応します”ではなく、**“この条件ならこの料理は出せます/これは難しいです”**という出し方に寄せます。
なお、重要な前提として、制限食・宗教食は同じ言葉でも個人差が出ます。家族・宗派・地域・本人の方針で条件が変わり得るため、当店では括弧内(確認項目)は必ず本人確認を前提に運用します。
1. ビーガン/ベジタリアン
ビーガンは動物由来を広く避ける、ベジタリアンは「肉を避ける」
ただし現場で大事なのは、言葉を暗記して言い切ることではありません。同じ「ビーガン」「ベジ」でも、卵・乳・魚介・はちみつの扱いは人によって差が出ます。ここで断言すると事故になります。
当店の運用は、定義の議論よりも実務を優先します。つまり、括弧内(卵・乳・魚介・はちみつ)だけを短く確認して、出せる料理に寄せる。これが最短で、最も安全です。
表1|ビーガン vs ベジタリアン
2. ハラル/コーシャ
ハラル(イスラム)とコーシャ(ユダヤ)は別物です。ただ、飲食店の現場で重要なのは「違いを暗記すること」よりも、店としてどこまで保証できるかを整理し、確認すべきポイントを固定することです。
当店の整理は次の通りです。
共通して言えること:店が保証できない領域がある
ハラルもコーシャも、厳密に踏み込むと
認証の有無
屠殺の条件
専用の導線や器具分離
といった、店側で管理・証明が必要な領域が出てきます。当店はそこを“できます”とは言いません。ここを曖昧にすると、誤解が起きます。
共通して起きやすいこと:
確認ポイントに個人差がある一方で、飲食店として実際にお役に立てるのは、次のような“現場論点”です。
豚(ここは共通して強く気にされやすい)
アルコール(調味・加熱含む)
魚介の範囲(貝・甲殻類・鱗の有無など)
肉+乳の同時(料理として混ざる形をどう扱うか)
当店はこの論点を固定し、「当店の料理としてOKか」を一緒に確かめる進め方をとります。
表2|ハラル vs コーシャ
補足|教わり方・個人差・「意思決定コスパ」
宗教食のルールは、家庭・地域・宗派・教育環境の中で幼少期から身につくことが多いです。ただし、成人後に本人の考えで厳格化/緩和することも珍しくありません。生活環境、信仰の深さ、過去の体験で「どこまで守るか」が変わることがあります。
意思決定の観点で見ると、こうしたルールには両面があります。
ルールがあると、毎回ゼロから迷わずに済み、判断が速くなる
反面、外食・旅行では制約が増え、確認の手間が増える
飲食店側がやるべきことは、宗教の正誤を判定することではありません。当店の提供範囲の中で、何がOKかを確認し、合意を作り、出せる料理を明確にする。ここに徹するのが、もっとも事故が少なく、双方にとって現実的です。
3. 3つの最短整理(ビーガン/ベジ/ハラル・コーシャ)
ビーガン/ベジ/ハラル・コーシャは、細部を完璧に理解するほど現場が強くなる類のものではありません。むしろ重要なのは、どこが固定で、どこが個人差(本人確認)になるかを迷わず言語化できることです。
ビーガン:肉・魚介・卵・乳(+はちみつ)まで含めて動物性を広く避ける、が起点
ベジ:肉を避ける、が起点(卵・乳・魚介・はちみつは人による)
ハラル/コーシャ:店が保証できない領域が存在する、が起点(豚は特に重要。その他は本人確認で条件が割れる)
表3|ビーガン/ベジ/ハラル・コーシャ比較
4. まとめ
BOQUERIAは、制限食・宗教食のご相談に対して、次の姿勢で対応します。

1)尊重するが、断言はしない相手の背景を尊重しつつ、店が保証できないこと(認証・屠殺・完全分離など)を曖昧にせず、断言を避けます。
2)確認項目を固定し、会話を増やさない当店は、確認を増やして安心を作るのではなく、確認項目を固定して事故を減らす運用をします。「豚」「アルコール(調味含む)」「魚介の範囲」「肉+乳の同時」を軸に、必要最小限で確認します。
3)“対応します”ではなく、“出せる料理”で答える最終的にお客様が欲しいのは理念ではなく、安心して食べられる料理です。当店は、条件確認後に「当店で出せる候補/難しい候補」を明確にし、誤解が出ない形で提案します。
この3点を守ることで、当店は「優しそうに見える曖昧さ」ではなく、誠実で事故のない明確さを提供します。



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