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沈黙のペアリングという考え方

料理とワインを合わせる、ってよく言うけど、実際の現場では、お客さんがバラバラのワインを飲んでる。グループでシェアする料理に、ひとつのペアリングだけ押し付けるのは、もう現実的じゃない。

だったら、料理はそのままにして、飲んでるワインに合わせてソースを変えるほうがいい。その方が自然だし、店としても自由度がある。この発想から「沈黙のペアリング」という考え方が生まれた。



ソースは5種類。すべて“合わせるため”に作っている。


ワインの香り、味わい、樽の有無、軽さ・重さ。それぞれのタイプに合わせて、ソースの香りや酸、甘み、コクを組み立てた。

どれもまだ調整中だけど、今のところこんな感じで運用している:

  • グレープフルーツとCAVAで煮詰めた甘めのソース(シャンパン・アグリュム)

  • ベリーと花の酸で組んだ冷製ソース(ベリー・ローズヒップ)

  • スパイスとフォンドで重さを持たせた熟成向け(アールグレイ・バルサミコ)

  • 万能ねぎとマスタードの酸味で軽く受ける汎用ソース(スキャリオン)

  • バターとナッツで樽白に寄せる仕上げバター(ブラン・デュ・テロワール)

それぞれ、肉は共通でいい。何を飲んでるかで、ソースだけ変える。それだけで料理がワインに合ってくる。



肉とワインを頼んでください。ソースはこちらで調整します。

特に説明もしないし、聞かれなければ何も言いません。ただ、グラスを見て、ソースを変えてるだけです。

だから「このソース、なんか今日いつもと違うな」と思ったら、そのワインを見て変えています。

それが“沈黙のペアリング”。料理は出てくるけど、チューニングは静かにやってます。

とは、言ってもこのソースがこのワインに合わないってわけではないので気になるソースがあればぜひ言ってください。


そして、現在のペアリングソースはこちら。

内容変わってたらすみません。

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