沈黙のペアリングという考え方
- BOQUERIA

- 7月10日
- 読了時間: 2分
料理とワインを合わせる、ってよく言うけど、実際の現場では、お客さんがバラバラのワインを飲んでる。グループでシェアする料理に、ひとつのペアリングだけ押し付けるのは、もう現実的じゃない。
だったら、料理はそのままにして、飲んでるワインに合わせてソースを変えるほうがいい。その方が自然だし、店としても自由度がある。この発想から「沈黙のペアリング」という考え方が生まれた。
ソースは5種類。すべて“合わせるため”に作っている。
ワインの香り、味わい、樽の有無、軽さ・重さ。それぞれのタイプに合わせて、ソースの香りや酸、甘み、コクを組み立てた。
どれもまだ調整中だけど、今のところこんな感じで運用している:
グレープフルーツとCAVAで煮詰めた甘めのソース(シャンパン・アグリュム)
ベリーと花の酸で組んだ冷製ソース(ベリー・ローズヒップ)
スパイスとフォンドで重さを持たせた熟成向け(アールグレイ・バルサミコ)
万能ねぎとマスタードの酸味で軽く受ける汎用ソース(スキャリオン)
バターとナッツで樽白に寄せる仕上げバター(ブラン・デュ・テロワール)
それぞれ、肉は共通でいい。何を飲んでるかで、ソースだけ変える。それだけで料理がワインに合ってくる。
肉とワインを頼んでください。ソースはこちらで調整します。
特に説明もしないし、聞かれなければ何も言いません。ただ、グラスを見て、ソースを変えてるだけです。
だから「このソース、なんか今日いつもと違うな」と思ったら、そのワインを見て変えています。
それが“沈黙のペアリング”。料理は出てくるけど、チューニングは静かにやってます。
とは、言ってもこのソースがこのワインに合わないってわけではないので気になるソースがあればぜひ言ってください。
そして、現在のペアリングソースはこちら。
内容変わってたらすみません。



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