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究極ふっくらライ麦とキビ糖のフォカッチャレシピへの道

ライ麦とキビ糖のフォカッチャ レシピ




















変遷の記録

  • 当初は「なんとなく」自己流でフォカッチャを作成。味は良かったものの、もっとふんわりを目指すべく検証を開始。

  • ウィンドウペーンや生地温度測定を導入してグルテン発達を確認し、ミキシング条件を調整。

  • 低温発酵、ベンチタイム、成形後Proof(ショックProof含む)、焼成など各工程でさまざまなアイデアを試す。

  • 結果として、細かな数値や手順を変えても最終的には「現行レシピと大きな違いはない」という結論に至った。

  • そのうえで、氷ミキシングや中心温度のズレ補正など、今後の改善課題が明確化した。


1. 使用機材

  • パンこねき: 日本ニーダー PK2025plus

  • 業務用ニーダーの能力を余すところなく活かすため、氷投入による温度抑制が有効かも。


  • スチームコンビオーブン: HOSHIZAKI MIC-6HSC-G-L

  • Proof&焼成時のスチーム・ホットエアーの切り替え精度が仕上がりを大きく左右する。





































2. 材料(1.8 kgバッチ)

材料

分量

所感/思ったこと

強力粉

1,400 g


ライ麦粉

400 g

ライ麦の比率を高めたことで味に陰影が出る。ただし多すぎると重くなるのでバランス重要。

キビ砂糖

200 g(+モルトシロップ9–18 g)

次回モルトを使った時の発酵促進効果を定量評価したい。

20 g


ピュアオリーブオイル

220 g

焼成後に提供と別に添えるEXVオイルの香りを活かしたいので、生地にはピュアでOKと判断。

1,000 g → 次回氷のみで検証

氷投入で氷→水の溶解に伴う吸熱を利用し、捏ね中の温度コントロール強化を試みる。

ドライイースト

20 g(+バイタルグルテン18 g)

バイタルグルテン1%追加でグルテン網を補強、大きな気泡を安定させる効果を確認済み。

3. ミキシング条件

  • 粉温: −40 °C

  • 粉を極端に冷やすことで、氷を投入したときの温度抑制効果がより大きくなる。


  • 水温: 0–4 °C

  • 氷にすることで、捏ね中の溶解過程を利用した“ライトオートリーズ”効果を期待している。


  • 速度: 5

  • 高粘度生地では低速でも摩擦熱が出るため、速度よりエネルギー投入量が大事。


  • 捏ね時間: 30 分

  • 表示温度との差を考慮し、実測で24–26 °Cに達するまで必要なら+3–5 分の延長が必要。


  • 注意: 表示温度と生地温度は異なる可能性が高い。プローブで実測し、本当に温度が出ているか確認しよう。


4. 1次発酵(冷蔵低温発酵)

  • 条件: ポリ袋に入れ、冷蔵庫(1 °C)で24時間

  • 酵母と酵素の動きが緩やかになることで、アルコール&酸味のバランスが整い、深い風味が生まれる。


5. ベンチタイム




















工程

モード

温度

湿度/蒸気

ファン速度

時間

思ったこと

ベンチSTEP1

Steam

40 °C

100 %

OFF (0 %)

2 分

冷蔵庫から出した生地をムラなく温める。扱いやすさが向上。

ベンチSTEP2

Hot Air

40 °C

0 %

30 % (弱)

18 分

生地表面の乾燥を抑えつつ扱いやすい温度帯を維持。

6. 成形

  • 手順: ホテルパン(高さ100 mm)に生地をのばし、指でくぼみを均等に作り、オリーブオイルを塗布


7. 成形後Proof(二次発酵)




















フェーズ

モード

温度

湿度/蒸気

ファン速度

時間

思ったこと

ショックProof

Steam(Shock)

30 °C

100 %

OFF (0 %)

5 分

短時間高湿で生地表面を一気に柔らかくし、大気泡を形成しやすくする。

メインProof (蒸気)

Steam

40 °C

100 %

50 % (中)

15 分

酵母のガス発生ピークを活用し、膨張を最大化。

メインProof (乾燥)

Hot Air

40 °C

0 %

100 % (強)

50 分

クラム内部を定着させ、均一な気泡構造を作り上げる。

Proof前確認: 生地中心温度を43–45 °Cに上げることで、焼成中の芯温到達が速くなる。



















8. 焼成(現行プロトコル)

Step

モード

温度

蒸気

ファン速度

時間

目標中心温度

思ったこと

1

Combi

130 °C

100 %

標準 (100%)

35 分

約 85 °C

内部をじっくり加熱し、クラムをしっかり温める。

2

Combi

140 °C

100 %

標準 (100%)

5 分

約 93–95 °C

短時間で中心温度を93–95 °Cに到達させ、しっとり感をキープ。


お通しでの提供と〆のひとこと

BOQUERIAでは、このフォカッチャをお通しとしてお出ししています。ライ麦とキビ糖のほのかな甘みと香ばしさが口の中に広がり、心地よい酸味があとから追いかけてきます。表面は程よくしっとり、クラムはふっくらもっちり。ぜひお食事の前にひと口、その味わいと軽やかな食感をお楽しみください。

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