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鶏もも肉は「65℃で30分」が美味しいという結論にたどり着くまで

更新日:6 日前

—— BOQUERIA式・低温火入れレシピ、ついに完成。

こんにちは。BOQUERIAの松本です。今日は、鶏もも肉の火入れについてのお話です。……といっても、ただのレシピ紹介ではありません。

どの温度で、どのくらい加熱すれば、肉汁を閉じ込めながらも安全で、しかもスパイスの香りが立ち上がるのか。そういう細かすぎて伝わりづらい部分に、私たちは真剣に向き合ってきました。

今回は、数回にわたる検証と調整を経てようやくまとまった、BOQUERIA式・鶏もも低温調理レシピの完成報告です。









「ただの火入れ」では終わらせたくない

鶏もも肉は、加熱しすぎればパサつくし、火が弱ければ食中毒のリスクがある。しかも今回の目的は、マルシェで販売する“お弁当用”。調理後に冷めても美味しく、安全でなければいけない。

さらに、スパイスや強力粉をまぶしたレシピのため、表面は軽く乾いて香ばしく、中はふっくらジューシーで、にんにくとスモークパプリカの香りが立ち上る……そんな仕上がりを目指しました。



何度・何分が最適なのか?

まずは機材(スチームコンベクションオーブン)の仕様を洗い出し、加熱温度と湿度、段階的な切り替え、芯温の到達スピードまで、実際に24kgの鶏肉を使って検証しました。

ある時は芯温が上がりすぎて肉汁が流れ出し、ある時は63℃をキープしたのに中心が64℃で止まってなかなか上がらない。それでも一つ一つのデータを記録して、数グラムの違いにも目を凝らしました。



結論:「65℃で30分」—— これが最も美味しくて、安全だった

最終的にたどり着いたのは、3段階の火入れ構成:



【BOQUERIA式 鶏もも低温調理レシピ Ver.1.0】

  1. コンビモード 100℃/湿度0%/15分 → スパイスの香りを引き出し、表面に粉の薄膜を形成。

  2. スチームモード 66℃/湿度100%/50分 → 芯温をゆっくりと65℃近くまで上昇させ、肉汁を守る。

  3. スチームモード 63℃/湿度100%/30分 → 芯温63℃以上を保持し、食中毒リスクを排除。



実測で見えた、肉の声

加熱後に計量したところ、1枚あたりの重量は約270g(加熱前推定300g)水分損失は約10%。これは、ジューシーさを維持しながらもしっかり火が通った、理想的なラインです。

トレーに残るゼラチン状の汁を見ても、肉そのものからの流出は最小限に抑えられていると感じました。見た目はしっとり、香りはふくよか、食感は弾力があるけど柔らかい。「ようやくここまで来たな」と思える仕上がりでした。



この火入れが生きる場所

このレシピで仕上げた鶏もも肉は、現在「カターレ富山」のホームゲーム(富山県総合運動公園 陸上競技場)にて販売中のスタジアムグルメ弁当としてもご提供しています。例えば、11:00〜11:30限定で実施している“先手必勝グルメ(早割プロモーション)”では、数量限定でこの火入れを施したチキンが並びます。

魚津市や黒部市など、富山県内各地のマルシェでも販売予定。イベントならではの高揚感とともに、きちんと仕込んだ一品を味わっていただければ嬉しいです。



料理は、科学であり感覚であり、哲学でもある

こうした“地味な検証”の積み重ねこそが、日常を支える味になると信じています。




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